短歌や俳句の評論もやってまーす
2009-10-26 16:11:01
カテゴリー 評論
この数年ご縁があり現代俳句、短歌の評論の
仕事をさせていただいている。
今年はとみに依頼が増え、雑誌や本となったもるものが
10冊近くになりそう。
そんな中、2008年2月に出版された『思ひ草』現代詩歌作家による愛の詞華集
で、藤間勢波さんの短歌を評論する機会を得た。
夏になり突然「評論を大変気にいってくださった方が、ぜひ会いたいとおっしゃって」
と出版社から連絡があり、戸惑いながらもお目にかかった。
すると「11月10日、国立劇場にて文化庁芸術祭参加公演で日本舞踊を
披露をし、その作品内容を短歌に詠みプログラムに掲載します。
その短歌の評論をして頂きたい」とのこと。
私のつたない評論の言霊を感じ取って下さったご様子に感激し、
日舞の世界には疎いままに、お引受けすることにしました。
その舞台はもうすぐ
「傀儡師」と新作舞踊「情炎の淵」なのでご興味ある方はご覧ください。
プログラム掲載の藤間勢波さんの2作品と私の評は以下のとおり
「あえかなるほたる火の如き命とて
夫(つま)あらばこそ灯しともして」
評:深雪の真髄を見事に掬い取った作品。そこにあるのは儚きか弱さではなく
芯に強さを秘めた繊細さである。それ故に彼女の健気さは一層のふかみに
彩られ我々の心を一瞬にして掴むのである。余韻嫋々として格調高さ漂う。
「胸ぬちの炎(ひ)の音又も襲い来ぬ
この身こがしてなお鳴り止まず」
評:胸に燃える愛の炎。その情念は様々な色を見せながら次第に、暗き流れへと
バランスを崩していく。紅蓮の炎を見つめるその瞳に映るものは一体何であろうか。
あわれというには余りある愛の多重構造を一気に詠んだ作品である。
さぁ、どんな着物をきていこうかな。