14歳ゆかたに出合う①
2009-06-09 16:48:19
カテゴリー kimono
どんよりとした空模様。
こんな日は紫陽花がよく似合う。
でしゃばりすぎず、控えめすぎず
落ち着きの存在感で、そこに独特の美を放つ。
その佇まいには「中庸」の大人げを感じる。
そんな午後、先週「五感にまとう~きものの魅力・魔力・威力」
という内容でお話した講演の感想が届く。
中学二年生206名分をわくわくと一気に読む。
そして、幸福感につつまれる。
「ほんとうに、きものの力はすごい」と。
きものを着たことがない、興味もない、でも着たくなった。
祖母に縫ってもらった着物をひとりできたい。
色合わせに興味がある。
海外でかっこよく着たい。
現代ではきものは「浮いてる感じ」だが、「着る」と胸をはって言いたい。
きもののエコ力にびっくり。
動きやすいって本当?
13mを8つに切ってできているのが、驚き。
きものに人柄がでるのはおもしろい。
ゆっくり一人の時間になれるというのに共感。
ティアラでつくった帯どめがかわいい。
などなど、素直な感想が一杯。
そして「浴衣授業を楽しみにしている」と。
私がきものを指導する力などは本当に微力である。
しかし、彼らの心の中に眠る「和スイッチ」
あるいは「美スイッチ」、「チャレンジ・スイッチ」の
何かがONになれば望外の幸せ。
ゆえに、指導はひたすら一生懸命に体を動かすのみ。
正味30分ほどの授業の後、そこには35名ほどの
かわいい「なでしこ」達がいる。
それは、何度みても感動の風景である。
こうして、彼らの柔軟な能力はどんどん他分野でも
活性化されているのである。
多くの選択肢を用意している学校は、可能性を紡ぎ出すのだ
ということを改めて実感する。
写真1:本日の授業風景 13mの浴衣地を間近に見せる
写真2:さぁ、いよいよ実習
写真3:40年以上前の母の大島を単衣に仕立て直して。紗帯は骨董市で。