美しき「千手観音」公演
2009-06-05 11:00:19
カテゴリー ソリテュード(積極的孤独)
花曇りが続く日々は、季節が古い衣を脱ぎ捨てている様だ。
以前から、観たいとおもっていた公演を見に行った。
国内外で絶賛されている、中国障害者芸術団の日本公演
「千手観音 夢My Dream」である。
休憩なく2時間以上にわたる公演は舞踏、歌、京劇、楽器演奏など
23ものプログラムで盛りだくさん。
その中でも、圧巻はなんといってもオープニングの舞踏「千手観音」。
黄金色のドレスに身を包んだ男女21名が見事なきれとタイミングで
一糸乱れぬ手の動きをみせる。
練習のすさまじさは、想像に難くないが、
その姿はまさに優雅な「観音」から溢れる慈悲の佇まい。
彼らのもつ聞こえない、見えない状況とは
いったいどのようなものであろうか。
以前、東京都の聴覚障害をもつ方々からの依頼により
「ソリテュード(積極的孤独)」講演をおこなったことがある。
その折に実感したことのひとつに、彼らはその世界の中で、
ロンリネス(消極的孤独)にとらわれるのではなく、自らの
五感を楽しむ時空間を十分にもっているということであった。
それはまさに、精妙なる静けさを内外にたたえたソリテュードを
楽しむ人生の達人の姿であった。
そんなことに思いをはせながら、彼らのパフォーマンスを堪能した
一夜だった。
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