横田晴正僧侶ふたたび
2009-08-06 23:29:32
カテゴリー コンパニオン・アニマル(伴侶動物)
あれから2か月。
ピピの供養をして頂き、日経ビジネスオンライン連載の最終回にも登場頂いた
ペットロス・カウンセラー&曹洞宗僧侶の横田晴正さんと再会した。
新潟から上京なさった今回、当初友人のコンパニオン・ドッグの供養を
お願いした。
そんなやりとりの中で「また、おしゃべりしたいな」と
思い自宅にお越しいただいた。
読経をあげる時の墨衣ではなく、普段ジーンズ姿の小柄な姿は普通の
(という表現もおかしいが)人。
待ちあわせ場所に佇んでいる姿に、二か月前の蘆花公園でのあの日が思い起こされた。
「アルバムがうんとありますから覚悟して」と冗談まじりにお伝えしていた。
この二か月の心模様や近況をお伝えしながら、すでに僧侶のくりくりした
まなざしは積まれたアルバムに。
「この順番で拝見してよろしいですか」
「はい、これでも一部ですけれど(笑)」
そのページを繰る手はゆっくりと、視線は写真とともに小さなコメントを
丁寧に隅々まで楽しそうに読んで下さる。
数えきれない方々の悲嘆に寄り添ってきたであろうに、
その姿は初めてそんな体験を共有するかのように、共感に満ち、
新鮮な驚きを写真から発見するかのようである。
「この頃、ピピのマイブームはソファーの背もたれの上に陣取ることだったんです。
猫みたいに。
「いや、うちのらんまる(ダックス)も、そうですよ」
「ピピはいつも舌をだしていて。一生懸命に顔をなめてくれて…」
「うちのは、僕の頭を舐めてるんですよ。だからつややかで」とBig Smile。
たわいもない会話が、再び私の前よりも深いところに残っているせつなさを
心地よく撫でて行く。
「実は、次の犬を考えていまして…」
「そうですか」
ゆったりとしたおしゃべりの後、読経をお願いした。
墨衣に着替えた横田さんからは凛とした慈愛が満ちている。
そして、わたしの話からくみ取ってくださった読経をゆっくりと。
まずは「散華之偈(さんげのげ)」
「きょうは、お花を持参しなかったので言葉で花をさしあげます。
これは仏様にお花や酒、ろうそくを上げて場を整えるというお経です」
次に以前もあげてくださった「大悲心陀羅尼」で感謝。
そして「舎利禮文」
「お話の中で、次の子とおっしゃっていたので、新しいからだとなって、
また支えてくれることをお願いしました。
そして、今骨壺をもってあることをしましたが、これでお骨から魂をぬきました。
もう、これ(骨)はただ思い出の品となりました。」
最後に「妙法蓮華観世音菩薩経」で先祖を七代までさかのぼり
感謝と加護をお願いして下さった。
2時間余の後、わたしの心は軽くなった。
もう、そんな変化はおきないとおもっていたのに。
これこそ、まさに僧侶が肩書や資格などもたずに
「カウンセラー」であった頃からの真の効用なのであろう。
【写真1】読経の後で