墨衣ってカッコイイ!
2009-08-07 23:13:30
カテゴリー kimono
きょうは昨日の横田晴正僧侶の僧衣について。
常日頃から、墨衣には熱い視線を注いでいた(笑)。
あの袖の長さは振袖とおなじかしら?
足元に流れるプリーツはどうやってつくっているのだろうか?
襦袢袖と衣の袖丈が違うけれど…その意味は?
しかし、なかなか質問する機会も勇気もなかった。
そんな私の好奇心に快くつきあってくださった横田さん。
ありがとうございます。
ます、その袖丈を尋ねる。
「どれくらいでしょうねぇ。身長に合わせてつくっているので」
「では、計らせていただきますね…93cm!その袖幅も随分長いですねぇ。
それを三折りにするんですか?
計ってみますね…なんと、93cm!つまり正方形なんですね」
「そで幅が長いのは一度肩まで折上げ、そこから手首にむかっており下げるんです」
きものでは首の後ろの突起した骨から肩までを「肩幅(かたはば)」
肩から手首までを「袖幅(そではば)」という。
そして肩幅と袖幅を足したものが「裄(ゆき)」
通常、袖幅は35cm程度。肩幅とあわせた裄も70cmほどである。
そで丈は50cm前後。
それが僧衣では、そで幅で93cm、そで丈93cm。
あの優雅な流れは、その長さに秘密があるようである。
前日、ご供養にいった先の高校生男子が、その墨衣に着替えた姿を見るなり
「かっこいい!」と歓声を上げたというのもうなずける。
美の琴線を響かせる姿は、年齢性別を超えるのだろう。
さらに、曹洞宗永平寺派での最高の礼姿をとって頂いた。
正座ではなく、膝をついて上半身をたて両手をあわせる。
高位の方に遇する折も、その姿であるという。
肩からのなだらかな線、そして体に添いながら少し広がる袖の美しさ。
その姿こそが「のど仏」の形となっているのである。
「人も犬も喉仏の形は同じなんです。生きとし生きる者として同じ仏をもっている。
だから、ひとも犬もお経に差はないと考えています」
という初対面の折の言葉が実感をもって蘇ってきた一時だった。
【写真】長い(ちょうい)の姿勢