弥生三月♪桜舞う袋帯
2010-03-01 23:07:27
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kimono
早春のこの季節、まだ目にみえぬ何かの始まりを今年も感じる。
命の胎動がそこここに聞こえるように、自分の内にも希望のざわめきが感じられる。
そんな春を待つ日々、桜の袋帯に一目ぼれ。
日本人のDNAの中には花といえば「桜」というように
何か特別の華やかさで記憶されている。
365日のきもの生活開始以来、ずっと桜の帯が欲しかった。
友人のもつ、淡いグレイの塩瀬に白い花びらが舞う名古屋帯も
柔らかい女性らしさが溢れ見るたびにうっとり。
しかし、きものを知る者にとって桜の帯は「贅沢品」。
というのも、基本的に「季節の先取り」が約束事としてあるので「桜」ほど
有名(笑)になると、素人目にも季節感が極めて限られると理解されているからだ。
ある呉服屋さんは「花びらだけの意匠ならば通年大丈夫。
枝があると桜にさきがける季節だけですね。でも最近はお好きな方は通年」という。
85歳をすぎたわが師匠などは、桜の帯やきものを作った当時全国を北上しながら
講演活動をしたので「数か月も着る事ができた」と。
パールホワイトに少しベージュを足したような地紋入り袋帯には
白い花びらにピンク散らした桜が一杯に織と刺繍で華やか。
見ているだけで、女心が満たされ幸せになる。
何日か迷った末、一足早い自分へのバースデー・プレゼント(という言い訳)として購入。
これが、手持ちの山下八百子さんの黄八丈にぴったり。
少し派手かなと躊躇したが、手で何度も丁寧染めと織を繰り返され
光沢を放つ黄八丈に巻きつけると艶やかさもワン・トーン静まりしっとりとおさまる。
「織には染め」という原則は少しわきにおいて、出来上がったコーディネイトを自画自賛。
【写真1】帯の銘は「祇園枝垂れ桜」
【写真2】胴部分もたっぷりと桜、きものの八掛けに近い深い抹茶色の帯あげに白の帯締め
もちろん帯はKazumi流三分式に仕立て直す。
10分ほどで纏いおえた後、六本木グランドハイアット東京へ自分で車を運転し向かう。
【写真3】六本木ローターリークラブ5周年PARTY@グランドハイアット東京
帯に出合い、芯入れ仕立てを待つ日々、そしてその帯をうっとりと眺めた後、思い切って
鋏をいれ三部式に。出来上がりに満足しつつ色合わせをあれこれ考える。
そうした何日間の幸福感…みんなにも分けてあげたいな。
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