季節をまとう
2009-05-25 15:42:28
カテゴリー kimono
昨晩の雷で、すべてが浄化されたような朝。
少ししめったきもち良い空気も雨の翌日の喜びである。
きもの生活になり、季節の移ろいに敏感になった。
日本に生まれた醍醐味に思いを馳せる。
料理、草花、木、和菓子、洋服、光、インテリア、俳句・短歌など
我々は季節を味わう術を持って生まれてきているのだ。
ここ数年、俳句・短歌評論の仕事をさせて頂いている。
それは一層、季節の移ろいを身近に想うひとときでもある。
繊細で、精妙な光や影をとらえ、それに季節の衣を着せて、
短い言葉で内的世界を作りあげる。
読み手として、心を添わせた時、作品からさまざまな色がみえてくる。
それは重ね着をしたきものの様で奥深い。
しかしなんといっても季節を明確に表現しているものは草花であろう。
「はな」といえば「桜」といわれているがその時期を過ぎたころ、その色合いの妙で楽しませてくれるものに「紫陽花」がある。
日々色をみせるその可憐な花弁が織りなす大輪の花には、すべてを内包するような存在を感じる。
その花を想い、きものをまとった時、わたしは一緒に季節まで纏う喜びに包まれる。
以下は、鎌倉、成就院での一葉
骨董市で出合ったベージュの地色に黒のあられ柄の単衣小紋。
オレンジの紗帯を締める。
黒の半衿は絽。