アンティークきもの
2009-06-01 23:47:07
カテゴリー kimono
6月1日は衣替え!
この時期、心にはすでに初夏の風が流れて来るようだ。
こんな日にも日本のどこかで骨董市が開催されている。
きものに目覚めると、これまでは見向きもしなかった骨董市がたつ日が
カレンダーに記されるようになる。
そして、そこは宝の山。
和装に関していえば、今では手間暇かける職人がいなくなった手のこんだ品々
あるいは新品でありながらも、きもの現代の生活にあわないということで
タダ同然で手放された様な品を掘り出す醍醐味がある。
今でこそ、どんな品に出会えるかと考えるが10年前の私は「古着」などは興味もなく
デニムのヴィンテージものなどが高価な価格て取引きされることなども理解ができなかった。
何よりも身につけるのに、他人が着ていた古いものは「汚ない!」と思うタイプであった。
しかし、今ではそんなわたしが地方にまで足をのばし、骨董市を楽しむ。
都内でもこの数年、随分と骨董市が開催されている。
和ブームもあり和装への興味が若者を中心に集まったのか。
需要が高まり、価格までもが上がってしまっているのはいささか残念。
NHKで放送されたピーターバラカンさんが司会をする英語で日本文化や流行を紹介する『Weekend Japanology~Kimono~』でも、そのような様子を取材したいということで、
私が骨董市を案内する様子が世界へと発信された。
その緊張の取材の折に、どうしてもわたくしが目がはなせなかったきものがある。
五ツ紋付きの黒の留袖。
店主によると、大正末から昭和初期の品で、当時は花嫁さんがきたという。
袖の長さは64cm(約一尺七寸)。
裾模様の染色のグラデーションの美しいこと。
鶴の図柄の品格と、そこにほどこされた控えめな刺繍。
私は収録中ということも忘れ、結局その骨董市会場でそのきものを買った。
状態もよいので、すぐに活け洗いに出すことができた
(古いものは糸や布が腐食している場合もある)。
纏う機会を待ち望みながら、まだ果たせずにいる。
その裾模様のUPがこの一葉。
5/29のブログには、全体の写真がUPされている。