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ひとりの時間

孤独が創造を生む

日経ビジネスAssocie 2009年2月17日発売掲載

【取材こぼれ話】

日経ビジネスAssocie

「あなたはどっち?甲論乙駁
刺激と人脈を得る 勉強会に参加すべきか?」
というテーマで是派に西山昭彦氏、否派は私という
インタビュー依頼を受けました。
日本人って本当に二者択一好きですね。

人脈を広げるのはよいことですが、
広げ過ぎてその波に溺れないようにね。

それには「IN」を「OUT」する前の揺りかごとしての
ソリテュードが必要なの…というお話。

最初はオブザーバーとしてクールに同席の上司の方が次第に
身を乗り出して深く耳を傾けて下さったのが印象的でした。

【本日のきもの】

八丈島の逸品「山下めゆ工房」の黄八丈

人が生きていくうえで根源的に重要性を持つのは、集う時間よりも、むしろその後の「ひとりの時間」であるということを知っていただきたいと思います。

私もかつては、勉強会に参加したり、1日に名刺を100枚配る日があるほど、人に会っていました。好奇心や上昇志向も強く、体の中を駆け巡るアドレナリンをエネルギー源に熱中して働きました。

ところが、ある時、会社の都合で職を失うことになり、心身ともに追いつめられた経験がありました。腰痛に見舞われ、電話に出られず、人にも会えなくなってしまったのです。

一人で思い悩む日々の中、病院やカウンセリングにも通いましたが、自分がそれほど落ち込んだ真の理由は理解できずにいました。

そんなある日、知人の勧めで無理をして出席した会合で気分が悪くなり、やむを得ず途中で帰宅したことがありました。部屋に入り、ふと外の夕日を眺めると不思議と心配や愁い、恐怖から解放され、「静妙」を楽しむ自分がいました。

「ひとりってなんて深いんだろう。一人でいてもいいんだ」と実感し、それからは薄皮がはがれるように少しずつ自分を取り戻していったのです。

八丈島の逸品「山下めゆ工房」の黄八丈

この体験が「孤独力」を研究するきっかけになりました。実は、米国では1970年代から孤独の効用について注目が集まっており、人間行動学の中の「孤独学」として研究が進められているのです。

「孤独=寂しい」というネガティブイメージがありますが、孤独とは己と向き合うことです。孤独に身を置くことでのみ、それまでに吸収した情報や知識は、いったん腹に落とし込まれ、知恵へと発酵していきます。つまり、孤独は考える力や想像力の源泉なのです。

大きく価値観の変換を求められる時、人は孤独の中で悩み抜き、結論を出していきます。様々な考えを自分の内奥に巡らせ、発酵作業を行うわけです。どんなに社交的に振る舞っている人でも、「ひとりの時間」が極端に少なくなると、何となく落ち着かず、不安を覚えるはずです。つまり、誰もが「積極的孤独(ソリテュード)」の価値を潜在的に知っているのです。

「忙しくて一人になる時間がない」という人でも、意識すればできるはずです。仕事に忙殺された時に5分だけ屋上で一人になってみる、同僚の誘いを断って一人でランチに出かけてみる。仕事の計画を立てたり、心配事を考えたりするのではなく、自分の内なる声にしっかり耳を傾ける時間を作ってみましょう。

言うまでもなく、人から刺激を受ける時間と、一人になってじっくり考える時間の両方が大切だ。

西山氏が言う「知人や友人がいない会」への参加は、年齢や職種などの属性が異なる人との交流ほど、新鮮で価値ある情報や刺激をもたらすことを意味する。会社内だけの閉じられた世界に安住すると、価値観まで小さく固まる怖れがある。若いうちから積極的に“外の人々”と接してこそ、「社会に出る(=仕事に就く)」意味があると言えるだろう。

ただし、情報と刺激を一方的にインプットし続けるだけでは心と体が悲鳴を上げる。津田氏の体験は、インプットしたものを、自分の内面で発酵させる事の大切さを物語る。

活動的な人ほど一人になって思索する時間を大切にすべきだろう。

by @kazumiryu
日経ビジネスAssocie紙面

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