ソリテュード・タイム「ひとりの時間」を愉しむ法２

その疲れやイライラの原因、ソリテュード・タイム不足では？

OLマニュアル 2002年10月号掲載

【取材こぼれ話】

OLマニュアル 2002年10月号表紙

ここでは、今でも強調している
「ソリテュードの効用」について５つをご紹介しています。

創造の源
自分を取り戻す場所
心身の落ち着きを取り戻す場所
勇気・決断の源
21世紀の美人道

そして、ここにもう一つ付けくわえるとしたら
「ストレス耐性を上げる」ということです。

意図的にひとりの時間をもつことにより、ストレスへの免疫力がUPするのです。
そうすることにより自身を俯瞰してみることができ、人間関係の無理が生じなくなります。

もし「無理をしてしまった」と感じたならば、ソリテュード･タイム。
本来の自分からは少しぶれてしまった軸が整い、相手を思いやる余力が生まれるのです。
「心身の落ち着きを取り戻す」とは「心の余白」を増やすことにほかなりません。

ソリテュードという生き方を実践する者として、まずは5分でもよいのでひとりの時空間を楽しむことを提案したいと思います。

残業が何日も続いているとき、飲み会つづきの時、あるいは連日デートの予約でいっぱいの時、「疲れちゃったな」「なんだかイライラするな」と感じることがあると思います。しかしそれを「ひとりでいる時間が不足しているからだな」と思う人は、多くはないでしょう。

ただ、動機は「なんとなく」でも、ひとりでビデオでも観たい、ひとり旅に出かけたいと思ったりするのは、無意識のうちにST（ソリテュード・タイム）不足を嗅ぎ取っているからだといえます。

この無意識の部分を「STが不足しているから」と意識することによって、これからお話しするSTの効用は、何倍もの意味をもつことになります。

ソリテュード・タイムの効用

これまで、ひとりの時間をなんとなくぼーっと過ごしてしまっていたという人も、次に挙げる効用を意識するようにしてみましょう。そして、STは自分の中で何かが「発酵」しているのだと頭の片隅に置いておきましょう。

創造の源

これはなにも、芸術に携わる仕事でなければ関係ない、ということではありません。どんなルーティンワークであっても、「この仕事はどうすればうまくいくのか」と考えることは、単なる工夫にとどまらない、クリエイティブな作業です。また、毎日の洋服選びやお化粧の仕方も、「自分をどう表現するか」という創造だといえるでしょう。

STは、そういった場面で必要な、創造的なアイディアやヒントを生み出してくれます。マニュアルに頼ったり、つねに周囲の批評や圧力を感じる環境にいたりするのでは、想像力は育たないのです。

自分を取り戻す場所

「大きくなったら（＝成熟した大人になったら）何になりたい？」と聞かれたら、あなたはすぐに答えられますか？素直に答えられた子どもの頃と違って、答えに困ってしまうのではないでしょうか？

仕事や恋愛、家事などに忙殺されていると、「自分が本当は何をしたいのか」がわからなくなったりします。あるいは、「それを我慢して進むのが大人」「好きなことと仕事は一致しないもの」と、自分に言い聞かせている人もいるかもしれません。

しかし、そのように自分と折合いをつけてばかりいると、本来の自分を見失ってしまいます。そんな時こそ、STをもって「大きくなったら何になりたい？」と、自分に問いかけてみましょう。STは、自分と向き合い、自分を取り戻す場所でもあるのです。

心身の落ち着きを取り戻す場所

現代社会では大概の人がストレスとともに生活しているため、西洋医学的には病気ではなくても、多くの人が疲れています。目まぐるしいスケジュールや、複雑な人間関係などが引き金となって、心身の落ち着きを保てなくなってしまっているためです。

仕事が忙しい時にこそ、合間をぬって席を離れ、ひとり静かに５分間目をつぶってみましょう。すると、さっきまで頭が混乱し、アドレナリンが駆け巡っていたのが、スーッと落ち着いてくるはずです。また、疲れていた目や耳の機能も回復しますので、心身ともに「癒される」ともいえます。

決断・勇気の源

皆さんの中には、結婚や転職に悩んだり迷ったりしている人もいることでしょう。それがどんなに些細なことであっても、答えを出すには決断や勇気が必要です。

そんな時、周囲に意見を求めるのは賢明なことですが、最終的な決断を下すのは結局のところ自分自身です。周囲の意見を聞き回っているだけでは、いっこうに決断や勇気は導き出されません。そんな時こそ、STが大切なのです。

21世紀の美人道

STをもつことによって、心身が落ち着きを取り戻すことはさきに述べたとおりですが、それによって、吊り上がっていた目が元に戻って表情が優しくなり、シワも減るかもしれません。また、カサついた肌や目の下のクマに気がつき、「、きれいにしよう」と思うこともあるでしょう。「きれいにしよう」というその心の余裕こそが、美しさにつながっていくのです。

数年前までの美人道というと、高価な化粧品を使ったり、エステに通ったりして、外見を整えることだけでした。もちろん、人に心地良さを与える、という意味では外見の美しさも大事なことですが、心の余裕、ひいては美しさを引き出すSTを自ら選び取り、愉しむことが、21世紀の美人道といっていいのではないでしょうか？

by @kazumiryu

▲ページトップへ