宝島 2004年3月号掲載
「孤独力」の研究シリーズも最終回。
今回はトレーニング法としてビジネス・パーソンを対象とした提案を5つしています。
「Just Do It!」
すべてに納得がいかなくても、行動が難しそうであっても、とにかくできることから気軽に初めてみましょう。
とはいえ、多忙な日々の中「ひとりでいられる能力」のスイッチがオフになり「何となく自分らしくないなぁ」という日もあるかもしれません。
そのような時に手にとってほしいのかソリテュードへの気づきを促す、「ソリテュード言葉の花束カード」です。朝ひいた一枚を名刺入れに一枚忍ばせて、読んでみましょう。
きっと何かがかわるでしょう。
振り返れば、ソリテュード研究を始めた当初は「あなたは強い人だから“孤独を楽しもう”などといえるのだ」と言われたこともありました。
しかし、ソリテュードは心が強い人だけが理解できるのではなく「誰もがもっている能力である」ということを伝え続けた日々が、今に繋がっていると思える今日この頃です。
あなたも、「Meet Your Solitde!」
ランチを上司や同僚ととることは、仲間意識を持つ、仕事のオフレコ情報を得るために大切という面もある。しかし、あえてひとりになってみると孤独力を鍛えるいい訓練になる。ただし、単に拒否するのは芸がない。「お昼に図書館で仕事の情報収集してきますといって、後で情報を上司に教える。すると、アイツはお昼に仕事もしていると勝手に思ってもらえますから、以降はひとりでランチがしやすくなる」(津田さん)
優秀なエグゼクティブは朝、社員よりも早く出社し、新聞を読みながらも意思決定の方向性を練っている。「誰もいない、電話も鳴らないオフィスは、組織の中の自分を考えるには最適な舞台です。自分の本当にやりたいことが湧き出てくるでしょう」(津田さん)
また、家族がまだ起きてこない早朝も同様。早起きしてひとり時間を創ることは、仕事のうえでも心を活性化させるうえでも有効だ。
オフィスに長時間こもって慌しくしごとをしたり、人と話してばかりだと、いいアイデアも湧いてこなくなる。ちょっと疲れたなと思ったら、ムリにでも用事を作り、外出して公園散策をするのがいい。
「“自然を感じる”“歩く”っことは、ソリテュード・パワーをすばやく活性化する方法。オフィスにいると、その日の天気もわからずに季節が過ぎてしまいます。季節を感じることは、自分らしい時間を過ごすためにとても重要なことです」(津田さん)
公園だけでなく、美術館などにも行って、実際に見る、感じる情報収集をするのもお勧めだ。
会議のときなどに、「ちょっとトイレ」「ちょっと一服」といって、5、6分離席する。その間に屋上で深呼吸したり、トイレでボ〜ッとする。
「あなたが5分ぐらい一息ついても、世の中も会議も終わりにはなりません。徐々にその時間を延ばす。要は、思いきりの問題です」(津田さん)
年賀状、お歳暮を横並びで行なわない。その代わり、本当に感謝したい気持ちを時期に関係なくストレートに表す。あなたの自律性が試されるシーンだ。
「年賀状の代わりにクリスマスカード、お歳暮の代わりに息子さんの入学祝を送る。年賀状やお歳暮はワンオブゼムですが入学祝はズシンとくる。そのためには、日頃から人の情報を知る事も大切」(津田さん)