2010年1月22日掲載
最近はハリウッド映画の影響か和犬ブームといわれる。
また、いわゆる“ペット”を巡る番組もしばしば企画されている。
そんな背景は以下の数字からも読み取れよう。
全国で登録されている犬の数は680万頭余り(2008年厚生労働省)だが、
猫、うさぎ、フェレットなどいわゆる“ペット数”は2,400万頭といわれ、
15歳以下の子ども数1,717万人をはるかに上回っている。
ペット産業は2兆円マーケットという試算もある。
その一方で、日本の犬猫の殺処分は年間30万頭と先進諸国の中では群を抜いて多い。
なかでも2006年6,399の殺処分をおこなったワーストは沖縄県(南城市 動物愛護管理センター)。
これは人口10万人あたりの殺処分数の全国平均が7.2頭であるのに対して、
その67倍477頭という数字をみれば明確である。
沖縄県は汚名を雪ぐべく「県動物愛護管理推進計画」を策定し2009年からの10年間で
殺処分の半減を目指し取り組んでいる。
福岡県も2008年の犬猫殺処分が15,000頭という数字を受け、
2009年9月28日に殺処分状況を改善する3方針を打ち出した(福岡県庁HP 保健衛生課発表)
改善が試みられていることはよいが、現状はまだまだ“やっと”走り出したばかりである。
そんな中、ハワイでトリマーとして働く日本人からペット保護に関する明るい情報が届いた。
その場所はワイキキから車で10分ほどの場所
モイリイリ(2700 Waialea Ave. Honolulu)。
Hawaiian Humane Society(ハワイ動物愛護協会)は
1897年創立の歴史を誇り、人と動物の絆を
育むために地域に根ざした活動を続けている。
常駐とボランティアスタッフが100名ほどおり
運営は年間約5億円($5,163,000
2008/07/01-2009/06/30)にもおよぶ
寄付のみによってまかなわれている。
ハワイにはペットショップ自体が非常に少なく、
おもちゃやフードは取り扱っても生体販売は
ごく一部のショップでしか行っていないそうで、
HHSが人とペットの仲介役を担っているという。
ここに引き取られた犬猫うさぎ等は、年間29,541頭
(猫17,938頭、犬7,924頭、その他小動物3,679頭
2008/07/01-2009/06/30)。
まず診察や適性検査をうけ、問題がなければグルーミングで
清潔にし、必要な躾を入れたうえで、HPはもちろんのこと新聞TV
などのメディアでお披露目され、ふさわしい里親を探すという。
適性検査では性格が主としてみられ、しつけもしっかりとされるが、
それがどうしても無理である場合のみ殺処分をされるとのことである。
里親希望者はHHSに行き、面接をおこない、
適していると判断された場合には$65を払いひき取るが、
このプロセスにより毎年6500頭ほどが新しい家族と出会うという。
友人はここでトリマーとしてボランティアをしたが、
「日本でいう保健所というよりペットショップみたい。
清潔だし」という第一印象を述べている。
今週からは、この施設が目指す人と動物の絆についてご紹介して、
殺処分をゼロにするためにはコンパニオン・アニマルの
オーナーとして何ができるのか考えていきたいと思う。