2010年3月12日掲載
前回の特集から二カ月、凜(ヨークシャー・テリアのメス)は生後258日、体重2200g。我が家にやってきてから6カ月半が経過。
「ますます愛らしく、私との絆はいや増すばかり…」というのはまだまだ先のようです。
それどころか年末の第一次育児ノイローゼを脱した後は、よくも悪しくも私の腹はすわり「反抗期を無駄にしないために」というトレーナー宅への一か月の合宿も思いのほか寂しくなく手放すことができたほど。
「ほんとうに、こんな関わり方でよいのだろうか」と、ピピとの「毎日がきのうよりも強い愛情を実感」との温度差に何か忘れ物をしたような気持ちはあっても「それはそれ」と割り切ることができるようになっていました。
ショー・ドッグにするつもりも、繁殖貸し出しなども念頭になかったので、決めかねていたのは「時期」。
獣医師も論文も時期に関し微妙に違いがあることは、調べれば調べるほど迷いの種に。
そんな日々、決心を促したのは獣医師の友人の一言「獣医にも、犬にも早い時期が負担が少ないのよ。切開部分も小さくて済みやり易いし、傷跡も小さくて済むの」
遡ること10年、ピピの場合には術後その日に連れ帰らされたものの一晩中痛みで鳴き声を上げる姿は本当に痛々しかった。さらに、溶けない糸をつかったので傷跡も一生残ることに。そんな記憶から看病には万全をとスケジュールをのやりくりをする。
そんな心づもりの折、三好トレーナー宅への最後の長期指導の時期が重なり、「こちらでよろしければ責任をもって面倒をみますよ。女の子の場合、最低でも一泊程度の入院が普通ですが、術後の経過をきちんと見る(トレーナー宅で経過を見るだけではなく、抜糸まで数回受診させに連れていく事など医師の指示を厳守連携する)という条件でその日に帰して貰えますから、ストレスを最小限に抑える事が出来ます。」という提案。
「それではオーナーとしての責任を果たしていると言えるのだろうか」という気持ちを内省し熟慮の末、そうさせてもらうことにする。
さらに、爪の神経が伸びすぎていたのでそれも、痛みのない麻酔中に切ってもらうことに。短くすることにより、地をつかむ力もあがり、今後の爪切りもし易くなると助言をうける(ヨーキーは爪が黒く、神経がみえないので爪を切りすぎて出血させることも少なくないので)。
その処置は獣医師よりも、グルーマーのほうが形も美しくできるので、麻酔中に「深爪(断爪)」をしてもらうことを依頼。
「肝臓の数値は高いですが(これは幼犬には多いらしい)、目視した限り臓器も美しい色で問題なし、乳歯も永久歯とぶつかり噛み合わせに問題がおこりそうな歯はないですよ。一本だけぬきました」との獣医師の言葉を伝え聞き安堵。
術後の経過は極めて順調、1週間後の抜糸を経て10日目に初めて対面。排泄後のタイミングでのフリー・タイムというしつけプロセスは相変わらず壊せないので、この日はそのタイミングを逃したため、一緒に遊ぶ事はかなわなかったが、
がまん。
今後の凜の「犬生」と私との絆の築き方について意味があるということでCDIテスト合格を目指して小学校に入学させることに。何度かのトレーナー宅訓練にて、すでに月齢以上のしっかりしたしつけを身につけたがんばり屋の凜にとって、そこで学ぶことの主眼は多くの犬と触れ合うこととだが、それ以上にオーナーである私がきちんとしたコマンドを与え、ゆるぎない信頼関係を築くために有用ということが目的なのだ。
友人の2頭のチワワさんも一緒。勝手に小型犬だけだと思い込んでいたのは誤算。しばらくぶりの小学校開校ということで、多くの犬たちが集まり7か月ほどの大型犬も。
「まだ子ども」といわれても、その姿に「元来犬が恐い」私は過呼吸気味。
「オイデ」「スワレ」「マテ」のレッスン後、リードをはずし自由に遊ばせるフリー・タイムには、みな聞き分けの良い犬達にもかかわらず心は過去の恐怖に支配され、手がこわばって凜のリードを外せないほど。
「リードをはずさないと、より注目されてみんな寄ってきますよ」というトレーナーに外してもらう。
凜はうれしそうに他の犬や人間に挨拶にいく。
ここでも、またしても自己に対峙させられた瞬間だった。
さて、これからどうなる?どうする?わたし!!