2011年3月4日掲載
最近、コンパニオン・アニマルをネットで売買することによるトラブルが急増している。
犬、猫を購入したものの「衰弱が激しい」、「2日で死んだ」、「姿形が写真と違う」、「種類が違う」など多々相談があるようだ。
例えば栃木県は、劣悪な環境で猫を飼育しネットで販売していた県内のあるペット販売業者を動物愛護管理法の疑いがあるとして登録取り消し処分を検討した。
その結果2月22日、猫では全国初となる動物取扱業者登録を取り消す行政処分を行った。
これにより、今後2年回は登録申請ができない。
しかし、このような劣悪な環境で育て、写真にはかわいい子犬、子猫を写真を掲載して、一般ショップよりも安価な金額でビジネスを行う業者は後をたたない。
また、大都市周辺では繁華街を中心に、午前3時まで生後間もないコンパニオン・アニマルを販売する店もある。
環境省は犬や猫の深夜販売は健康に悪影響を及ぼす可能性があるとして、動物愛護団体の強い求めもあり3月2日規制に乗り出す方針を固めた。
店頭に並べる時間を20時までにすることも検討している。
これに対して深夜営業ペットショップを展開する企業は「人間の生活スタイルに合わせた販売が、ペットにとってストレスになるとは思わない」と反論している(朝日新聞2011/03/03朝刊)。
この反論を読み、納得する人はいるのでしょうか?
先日、ドイツの保護施設を視察してきたあるトリマーによると、そこでは保護された犬の2/3程度は里親をみつけ、それ以外の引き取り手がみつからない犬(主に危険犬種系)は寄付金により、そこで一生暮らすことができるという。
「命あるものと暮らす責任感」などという口はばったい表現をせずとも出会った縁を一生全うするというのは、当たり前のことではないのでしょうか。
もちろん、「ちょうど寂しかったとき、目と目があった運命の出会い」などとコンパニオン・アニマルを“衝動買い”するのはもっての他ですね。
小さな命に向き合う創造力と覚悟を一人ひとりがしっかりともてる成熟した共生社会をご一緒に作っていきたいですね。