2011年7月29日掲載
「熱中症搬入者が増えているそうです」と書いたのは昨年の8月のこのコラム。
今年は、三倍をこす熱中症班入者数といわれたのが6月。
秋口も高温予想がだされる今年はコンパニオン・ドッグ(伴侶犬)たちへ一層の注意をむけましょう。
私たちはもちろんですが、真夏の高温多湿は予想以上のダメージを彼らに与えます。
特に、短吻犬(フレンチ・ブルドッグやパグ等)、北方原産犬(シベリアン・ハスキー等)、
長毛犬(シェトランド・シープドッグ、ポメラニアン等)そして高齢犬、子犬、病気や肥満犬にはつらい季節。
さらに今年は節電の夏。
停電もおこる事を想定する事が必要かもしれません。
体温調整ができるように、風通しがよく自由に動き回れる確保、水は数カ所に置くなど扇風機とエアコンの併用など環境面でのきめ細かい配慮もしたいものです。
道路からの反射熱で
熱中症になることもあります。
日陰や体温を冷ます場所がありますか?
夏場の車内は50度を超えることも、
エアコンをいれていてもケージの中は
空気が対流しないので熱中症になることも。
ケージやサークル内などの空気の流れが
悪いと体温調整ができません
私たちは、「犬が人に比べて暑さに弱い」
ということをついつい忘れがちです。
犬と私たちが立っている位置の差も考えましょう。
また犬にとって快適な湿度は40-60%程度といわれています。
口から息を吐いた時の気化熱で体温を下げているので、
湿度が高くならないように換気に注意し、
水分をとれる環境を整えておくことが必要。
首に保冷剤を巻く、タオル地の洋服に
水を含ませて着せるなど
風とおしのよい場所にケージをおいたり、
近くに送風機をおくなどの工夫
しゃがんで地面が熱をもっていないかを確認
ただし、毛を短くしすぎて
直射日光が肌にあたらないように
コンパニオン・ドッグが自分で適温を
探して移動できるスペースを確保する。
涼しい場所とそうでない場所をつくって
やるとよいでしょう
夏バテをするのは私たちもコンパニオン・ドッグも同じ、
水分補給は十分にし、「食欲がない、元気がない」
と感じたら「夏バテだから」と軽くみのがさずに、
まずは獣医さんに相談しましょう。
もの言えぬ「うちの子」の代弁者としては、
早期発見、早期対応が一番ではないでしょうか。
参考資料:『JKC Gazette 2010 Jul.&Aug』