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2011年9月16日掲載

『コンパニオン・アニマルと過ごす心得」
〜老いゆくうちの子たちと幸せに暮らす知恵〜

老いゆくペットと幸せに暮らすための40の心得

2008年に旅立ったヨークシャーテリアのピピの縁から秋になると日本獣医生命科学大学でのボランティアに協力させて頂いています。
これは、未来の獣医師がコンパニオン・アニマルのオーナーさん(飼い主)と巧くコミュニケーションを取る方法を学ぶワークショップであり、日本各地の獣医学生が自発的に申し込みをしてこの会に参加しています。
今年から、それが大学での5年生向けの科目として取り入れられることになったということです。
関係者の熱心な働きかけの賜物だとうれしく思う一方、他大学の学生が受けられなくなるのは残念な気もしています。
ボランティア参加者の背景はさまざまで、私のように犬の死を経験しそこからの問題意識で参加する方、獣医師、動物管理士、教師、保険会社員などさまざまであるが、みなが模擬患者としてロール・プレイに協力するというものです。

同じくピピの死を通じてご縁ができた霊園ソウルメイト住職の横田晴正氏の『老いゆくペットと幸せに暮らすための40の心得』を秋の夜長の読書にご紹介したいと思います。

犬と食事

一読して、横田氏の動物を無心に思う愛情が溢れ、その飾りのない言葉にふわりと包まれる内容にうれしくなりました。目下2歳になったばかりの凜のオーナーとしては当初、この本のタイトルは「まだ、人ごと」という感じでした。
しかし、読み進むうちに「大切なうちの子」と過ごしている方には、年齢を問わずに読んでほしいと思いました。

猫

「人生とは生をうけた時から死にむけての緩慢なる営みである」これを大学の講義で聴いて時に「ほっとした」ことを記憶する身にとってはその事を前提に「だから、何歳で旅立っても後悔することはないんですよ」、「だから、今できることを、楽しめることを考えましょう」、「失う恐怖よりも、与えられることのほうがいっぱい」というスタンスを経験から平易な文章で語っている内容には、共感しました。
ただ、想定外だったのは何気ない文脈の中から心の友だったピピのことをなつかしく思い出し号泣した点でした。
最近では「旅立ちは何年前だったかしら?」というほどになっていましたが、やはり心の深い部分ではしっかりと根付いていた彼女の存在を再確認させられ「会いたい!」と(特に巻末の作者不明「虹の橋」を読んで)。
そんな瞬間風速的な号泣に凜は、何事か!と飛んできましたが(これが2歳になり、少し大人になった証かな)、私を見つめ不思議そうに去っていきました。

窓辺の子猫

動物を弔いたいと子どもの頃より願っていた僧侶としての思いですが、やはりコンパニオン・アニマルを誰よりも愛する横田氏の愛情から紡ぎだされた一冊ではないかと感じました。
原点に返り再度考えさせられたり、役に立つ情報もあるお勧めの一冊です。


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