きものを着ると背筋がのび、心の丈まで伸びた気がします。しかし、その立ち姿がズドンと間延びしていてはもったいない。完成形の立ち姿ではきものはV字ラインに流れるように。そのためにきものを着る時に男女ともに両足つま先は閉じて鏡の前に立ちます。襦袢やきものを羽織ったらヒップが包み込まれるテンションを感じる様にまきつけるのがコツ。着付けおわったら、腰を落としスクワットを1回。そうすることにより着崩れず、しかし足さばきもラクにさっと歩けます。
衣紋のぬき方はこぶし一つ入る程度といわれます。しかしヘアー・スタイル、きものの風情、着る人が どのように見せたいかにより、毎回あき具合を微調整できると素敵。衣紋の開け方、半えりをだす分量(刺繍半えりは多めにだすと美しい)、えりを合わせる角度は、品よく粋に見せる三大ポイント。合わせ鏡で研究してみましょう。
⇒『「着たい!」私のふだんきもの』p. 80、p.32-33 を参照ください。
ふだんきものには作り帯はかかせない友。通常の注文品は二部式に仕上がりお太鼓の大きさは一定。季節(夏は小さめに)、年齢(年齢を経るほど小さめに)、体格(小柄の方は小さめに)や姿勢により変化をつけ全体のバランスを整えてこそ「どこか垢抜けた」といわれる着こなしができます。また、三部式ならシミがあっても、長さが不足していても、工夫して柄の良い場所をだすことができとても合理的。
⇒『「着たい!」私のふだんきもの』p. 83 を参照ください。
男女とも下ろしたての足袋をはくのは野暮。一度水をとおし、足にぴたりと馴染んだものをはくのが粋。サイズはワンサイズ小さ目が丁度よいことも。草履はかかとが台から出るくらい。靴の感覚で鼻緒の奥まで、指をいれすぎると痛くなりがちですし、蹴りだして歩くという草履での美しい歩き方にはなりません。新しい草履は室内ではいて少し鼻緒をゆるめておくとラクです。
⇒『「着たい!」私のふだんきもの』p.78-79 を参照ください。
どんな高価なきものを纏っても、所作が美しくなければやはり「差がつく」ものです。全体に小さく、小さく。裄の短いアンティークきものも手を伸ばしきったりせずに少し控えめな動作をすることにより、ぴったり身に馴染み一層Kimono美人にみせます。手を伸ばすときもひじをださない所作の工夫を。洋服よりも内股に歩くのは当然ですが、不自然な歩き方よりも、紬などを着た場合には颯爽とサクサク歩く方が適切です。
⇒『「着たい!」私のふだんきもの』p.98-99 を参照ください。