前回のコラムでお伝えしたように、品川女子学院でのゆかたの着付け授業が始まりました。生徒さんも楽しみにしてくれている全3回の授業の目的は「ゆかたを凜と纏う」ということです。1コマ50分の中、日常の「着る」とは趣が異なる「纏う」という体感が心に残ってくれればうれしいと思います。
第一回目は「腰紐をしっかり締め、下半身のV字ラインを意識する」という内容。
まずは、「なでしこ的はおり方」から。おろした両手でゆかたの肩口をもち、右から左へと体の後ろへ回し、腰をおとして肩にゆかたを預けます。常にない動作は誰しもが少し緊張の面持ち。
次に和壽澄(Kazumi) 流の裏技伝授。モスリン100%の第2腰紐を両方の衿下に安全ピンでつけます。これはきものの場合でも同じ。この方法により伊達締めを使わずに、楽&しっかり胸元を整えられます。まとった瞬間から生徒さんの表情が少し変わってきます。
例年接していると、毎年の全体傾向を感じることができ興味深いものです。今年の生徒さんはひとり一人が考えをもち、落ち着いた印象。そんな様子が一変し、少女らしさが溢れるのは第一腰紐を腰骨の上に締めた時。「うっ!」と声がでるほどに体の後ろで締められれば正解!と指示し、ひとりづつ体感できるようにまわっていきます。
「わからなーい」」「できた」「きゃ〜、きつい」「でも、安定感がある」など口々の声をききながら、あっという間の50分。最後はゆかたをたたみ、
第一腰紐を五角形に結びます。
次回は「半幅帯を一文字結びにする」です。
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