きもので歩くときは内股。誰もが知っている常識のはずなのですが、年齢を問わず外股で歩いている人のなんと多いことでしょう。
何事も極めるには、まず形から入ることが上達の近道です。
きものでは、洋服との絶対の違いである袂のあしらい方で、さまざまな演出ができます。
歩く姿勢は内股といえども、ちょこちょこ歩きではなく、さっさと歩きます。現代人は猫背傾向にあるので、胸を張っておなかは引っ込めるように意識しましょう。
昔のきものは概して裄が短く、腕が無造作に出がちですので気をつけて。腕はつねに袖の中にかくれるようにしましょう。ものを取るときも、袂を反対の手で押さえ、同様の所作を(きもので乗り物に乗るときのコツ参照)手はできるだけ小さくみえるように、指の間を広げずにそろえるときれいです。
なりきり所作のキーワードは、“控えめな優雅さ”です。
ひざの上に乗せた手も、次第に話に夢中になり、つい腕が出てしまうことがあります。腕は袖の中で縮める工夫をしましょう。
なりきるのなら、小首をかしげるという所作が“非日常的”でかわいらしいもの。ちょっと手を重ねて「あらぁ」「うふっ」などと微笑むと、なりきり度満点。
草履は、進行方向に向かって脱ぎます。上がったら逆向きになり、ひざをついて手で草履を反対方向に置き換えます。後ろ向きで上がるのはNG。
手を伸ばさなければならないときには、もう一方の手で袖口をおさえ、手首がみえないようにします。すると、礼儀正しく、ほんのり色気もかもし出されます。
▲ページトップへ