きもの姿では衣紋(えもん=首筋からきもの襟までの空間)の開け方(抜き方)によって
清潔感、知性、色気、ゆとりなどの風情を漂わすことができるといっても過言ではありません。
きもの初心者は一生懸命着つけた結果、首回りがきちきちになり見た目も
窮屈そうになってしまうか、その反対に襟元がぐずぐずしてしまうかもしれません。
これはKazumi流で解決。
小さい襟芯を首の後ろに一枚入れることでシャープでありながら
しっかりとした丸みが首筋のうしろに保てます
(『着たい!私のふだんきもの』P.16参照)。
衣紋を抜く時には
1)ヘアスタイル 2)年齢 3)きもの格(素材)
を確認した上で襦袢をはおることをお勧めします。
そして、衣紋を美しく抜くための秘訣は、
衣紋布(えもんぎれ 同著P.16参照)の長さにあるんです。
ひと手間かけてワンランク上のきもの美人を楽しんでください♪
きもので色気を感じさせるのはえり足。つまり、うなじとえもんの抜き加減のバランスが重要なのです。
きもののときは、アップヘアにして、えもんの抜き加減は首のつけ根の骨(骨がぐりっと出ているところ)
から、こぶし一個分(7〜9cml程度)あける、というのが基本ですが、それだけでは画一的すぎます。
ヘアは同じアップでも、その位置が頭頂部寄りか、えり足に近いシニヨンかにより、
抜き加減が違ってきます。もちろんTPOによっても工夫は必要です。
えもんを抜きすぎると、水商売風になるのでご注意を。
大きめのアップは、プチ・フォーマルやフォーマルな装い(ゴージャスなきもの)に適切なスタイルです。えもんは大きめに抜きましょう。
アップの位置の基本は、あごから耳を結ぶラインの延長線上といわれます。シンプルアップの場合、えもんは浅めに詰めて。
シニヨンは品よく大人しい印象をかもし出します。ただし、えり足やサイドの毛が整っていないと、きものでは疲れて老けてみえるのでご注意を。えもんは浅めに抜きます。
ボブスタイルはきもの姿によく似合い、ふだんきものにはぴったり。えもんは抜きません。木綿やウールのさり気ない装いでは、かわりらしくもありおすすめです。
忙しい女性は、いちいちカーラーを巻いたり、つけ毛を整える手間を省きたいもの。そんなとき、えり足がみえる程度のショートヘアは便利です。えもんは抜きすぎないように。