前回のコラムから始まった、品川女子学院でのゆかたの着付け授業も2回目。1コマ50分の中、きょうは帯もつけます。そこに出来上がった自分の姿をみて「和装は自分自身がブランドになる」という事の一端を感じてもらいたいと思い授業にのぞみます。生徒がゆかたを纏う先週の風景をご覧になり「その空間で洋服でいることに違和感を覚えた」とおっしゃり、自らゆかたを纏ってきてくださった男性教諭の姿に生徒たちの歓声が響きました。
まず少しでも身近に感じてもらいたく、和紙の日傘と蛇の目をひろげます。ぱっととびこんできた朱色にどっと歓声があがります。洋傘と異なる持ち方や、二段階に広がる蛇の目傘には驚きが隠せないようです。
そしていよいよゆかたの着付け。
第二回目は「ゆかたのお端折りを作り、半幅帯を一文字に結ぶ」という内容。
V字ラインの着姿を意識して、両方の足の指は最初から最後まで合わせたまま。
「ここは美人ポイント!」と言うと、注目度も一層あがります。
耳慣れない「おはしょり」には苦心しながらも、一生懸命挑戦。
そしていよいよ、半幅帯での一文字結び。
「Starting Pointはここから!左手にもった帯は左膝とくるぶしの間くらいの長さに、右手の帯は長いまま。さぁ、始めますよ」。緊張すると右手と左手がわからなくなるのは、大人もこどもも同じですね。そして体に一巻きしたら左手は体の近くに添えるだけ、右手だけをきゅっ!と引くと、しっかりと体に巻き付くのも不思議な体験。
Kazumi流では凜とした佇まいになるための美人ポイントがいくつかあります。ゆかたも同様。経験で次第に工夫されていくコツをわかりやすく指導します。
いつの日か「あの日“ここで差がつく”コツを習っていた」と思い出してくれるとうれしいと願いながら。
短時間の中で、かわいい大和撫子が誕生しました。紺白ゆかたがいかに愛されてきたかというお話しもしますが、並んだ彼女たちの色とりどりの姿はどれも美しいの一言です。「脱ぎたくな〜い」という弾んだ声も、礼法の挨拶で心を静かにしめくくり次の授業に向かう彼女たち。また来週を楽しんで欲しいと見送ります。
次回は「ゆかたの所作&和装写真の撮り方撮られ方、」です。過去の関連コラムはこちらから