2011年6月24日掲載
前回のコラムでお伝えした品川女子学院でのゆかた授業も2回、3回と内容を重ねるごとに、生徒さんの動きもスムースに進んでいきます。
指導しながら3回の50分授業で、これだけポイントを押さえて学べるものかと感動を覚えます。
二回目は、半幅帯で文庫結びです。その前にゆかたの着方をおさらいします。
「腰紐はウエストではなくて、腰の上あたりでね」
「そっか、だから腰紐なんだ」と納得の声。
「V字ラインできるためにも、左脇線はまっすぐにしっかり腰紐
をしめましょうね」
「わぁ、きつい。でもつらくない」
MY YUKATA率が格段に高くなった今年は帯持参率もアップ。中には2,3本持参する生徒も。みんな気合いの入り方が違います。
「右手にもつ長い帯を左手の短い帯を上にだしながら体に一巻きする」ということが、どうも難しいようです。
でも、早くできた生徒さんは同級生に教えてあげたりして、右往左往の中にもほほえましさが満載。
着付け終わると「○○ちゃん、似合う、かわいい」と褒めあう声がざわめきます。
説明しながら動き回り、各自を着付ける、私のきものの下は流れるような汗ですが、それを相手には感じさせない(させたかな?!)ところが和装の美学でもあります。
三回目はこれまでの復習に加え、所作の話、さらに美写真の撮り方/撮られ方と盛りだくさんの内容。
でも、生徒さんは髪の毛をアップにしたり、ヘアアクセやコサージュ持参で目の輝きが違います。
それというのも学校側からカメラマンが手配され、各自での撮影大会があるからです。講演でも話した「Kazumi流なでしこピース」の意味を再度説明し、ポージングの練習です。
ひととおり、着付け終わると
「せんせーい、おはしょりの長さはこれでよいですか」
「後ろのおはしょりがどこかにいっちゃった」
「左の脇線が前にきすぎてませんか」
「羽はこちら側の色をだしたいのですが、どうしたらよいですか」
「このりぼんを帯の上に結んでもよいですか」
などと、おとな顔負けの質問。
少しでもほっそり(十分みなさん細いのに)みせたいという乙女心と高い美意識が感じられる今年の213名。
所作の話の折り、赤い和紙に黒塗りのじゃのめ傘と日傘を開いてみせると「わぁ〜」とどよめきが聞こえます。
撮影時間には傘もひっぱりだこで、それらをもって撮影です。
やはり赤色のリフレクションは年齢を問わず、日本女性の肌を美しくみせるものだと実感です。
最後の授業後は、どのクラスからも「もったいなーい。「脱ぎたくなーい」コールがいつにもまして大きくあがります。
これから着付けの手順を忘れたとしても、彼らの心に眠っていた和のDNAスイッチが入ったことに変わりはありません。それは私に大きな幸福感を与え、このような機会を与えてくださった学校に感謝です。
今年もゆかた人が増えることを願いつつ、さぁ夏の始まりです。