よくこう尋ねられます。
「雨の日は、おきものは大変でしょう」
ところが、実際は正反対。
雨の日が待ち遠しいのです。
というのも雨の日には赤い蛇の目(塗)をさせるからです。
ふんわり薄手のグレイ・パープルの雨コートをはおり蛇の目をさす姿に道行く人が振り返ってくださいます。
そんな小さなわくわく感は、雨に輝く紫陽花のようなあでやかさを心にもたらしてくれます。
ただし、和傘は全部開ききらないように。
二段階になっていますが一段階で止めておくのが正しき佇まい。
すべて広げるのは相合傘の時までとっておきましょう。
和傘の持ち方は写真のように。
また、傘は斜めに肩に預けるのではなく
まっすぐ手で支え持つのが美しいさし方です。
ちなみに、拙著の全てのイラストは市野智絵さんによるもの。
現在では恋愛成就に最強開運神社としてメディアでも
大人気の浅草今戸神社で神職として活躍中の女性です。
Kazumi流きものも幸せを運ぶお手伝いをしています。
傘は和傘にこだわらずお好みで。安全ピンは、きものの裾が濡れないように、たくし上げて留めるときに使います。また、小さいタオルや手ぬぐいを持っていると、役に立ちます。
きもの生活をはじめると、お天気が気になります。でも、雨の日だって楽しみたいという人は、雨用アイテムをそろえましょう。
まず雨ゴート。丈が裾まであり、つるつるした素材や、パールトン加工(防水、防汚加工)がほどこされたものが一般的です。持っていない場合は次善の手段として、防水スプレーを裾や袖にかける方法も。
つま先をビニールでおおった雨草履も便利です。
また、足袋の上に足袋カバーをはいておくと、訪問先で足袋をはき替える手間がいらず、草履を脱ぐときにさっと足袋カバーをはずすだけできれいな足袋になります。“夜目遠目傘のうち”というように美人度を上げる雨。顔映えのする傘もいろいろと工夫したいですね。